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今なら…

 私が小学生の頃、親戚の叔父がカニクイサルを飼っていました。名前はチコちゃんといいました。当時、家庭でサルを飼うのは珍しいことで、チコちゃんと直に接した僕には、多くの驚かされる発見がありました。

 まず、目が合うと歯をむき出して威嚇し、飛び掛って攻撃を仕掛けます。これはサルの習性なのでしょうか、目をそらさなければ必ずと言っていいほど飛びつき噛みます。抵抗すればよけい強く噛みます。しかし当時小学生の私は、チコちゃんに興味津々だったので目が離せません、いつも噛まれますが、そのうち仲良くなる方法を考えることに…。

 まず噛まれても抵抗しない、すると噛む力も弱くなり、噛むのはポーズだけになっていきました。次に良く遊びました。例えば小さな食べ物を宙に投げてのキャッチは人のそれと比較にならないくらい鋭い反射神経で掴み取ります、飛んでいるハエさえも手の一振りで掴み取り口にします。
 慣れ親しんでくると肩に乗ってきて、僕の髪の毛を器用に一本ずつより分けなにやら探し始めます。サルがお互いに体の毛をかき分けている、まさにあの姿です。叔父さんが親愛の情を示してるんだと教えてくれました。探すのに疲れると僕の膝の上で寝てました。安心できないとその人の膝の上では寝ないよとも言われました。

 活発で茶目っ気たっぷりのチコちゃんでしたが、活発ゆえ電柱に登り感電してしまいました。三日ほど床につき、力の無い目で何か訴えていましたが永眠しました。  

 去年の暮れ、コードをかじって感電した猫が入院しました、感電は通電部分の火傷・肺水腫・ショックによる循環障害などが主症状です。すぐに治療を始め、二日ほど元気なく過ごしていましたが三日目からは回復に向い、元気になり退院しました。

 感電した動物が来るとチコちゃんを思い出します。今なら救うことができるかも…。

 


    コ ラ ム